いない。

2001年7月4日
葬儀場までの車での移動中、ずっと隣りにいました。
ずっと撫でてました。
冷たくなった鼻や口元を触って、ふさふさの毛を撫でて。
毛皮は暖かいから、まだ体温が残ってると勘違いするほどで。
あのふさふさの毛は、もうありません。
この手にまだ感触が残ってる。
12年間ずっと触ってきたあの毛並み。
眉間を指で撫でられるのが好きで、撫でてやると気持ちよさそうに
してた。でも今日は、いくら撫でても動いてくれない。
普通に寝てるような安らかな顔をしてるから、
ホントに、何かの間違いなんじゃないかとか思いたくなる。
ひょいっと何事もなかったように起きてくるんじゃないかって。
でも、当たり前だけど、起きる事はなかった。

ちゃんとお棺に入れて、火葬にしてきました。
小さくなって帰ってきました。
近所の、犬を飼ってる家のおばさんが、わざわざ花を
届けてくれた。とってもありがたかった。

親父が珍しく7時半ごろ帰ってきて、オカンと3人で
夕食の支度をしてる時。
もういないのに、ついつい庭の窓を開けて奴の名前を
呼びたくなる。体にそうインプットされてるから。
で、窓の方に無意識に行き始めて、ハタと気づいて足を止める。
右を向けば、仏壇がある。

庭にはもう、誰もいない。
水の入った鍋も、木の小屋も、庭は全部そのまま。
ただ、チョロだけがいない。
木陰を見ると、奴が暑そうに寝転がってた姿が浮かぶ。
今でも、庭の向こうからノソノソ歩いてくる気がして、
もうあの毛並みは触れないんだけど。
触れないってのが実感沸かない。
もう奴は、どこにもいない。
どこを見ても、
どこを探しても、
もうどこにもいない。

とても耐えられるもんじゃない(苦笑)。

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